2018年3月まで通っていたA型授産施設の話・・・その22018年05月26日 16:10:56

 今回は私が通所していた授産施設の利用者の話をしてみたい。あの施設には雑多な人が通っていたと思う。私のような精神障害を持っている人、知的障害の人、身体障害の人、はたはた薬物依存症の人、極めつけはHIV感染者(内部障害扱い)の人、さらに高次脳機能障害の人。
 精神障害は私のような双極性障害を持つ人、鬱病の人、統合失調の人。知的障害の人は軽度から重度の人まで。身体障害は脳性まひによる先天異常で左半身麻痺の人。また脳卒中で同様な麻痺を持った人。薬物依存の人はこれはちょっと怖いが覚醒剤で捕まった人。HIVの人は改めて説明の必要はないだろう。 
 問題なのは知的障害を持っている人の中で、50代の男がいた。そいつは近隣のグループホームから通ってきていた。最初の頃は「おはようございます。元気ですか?大丈夫ですか」とかなり気遣いができるのでいい人かと思っていた。ところが程なくして彼の裏の顔がみてしまったのである。2017年秋頃、社内で頻繁にタバコの盗難が起きていた。ある日店舗の受付カウンターに置いてあったタバコを奴が盗むところを現行犯で上げたのである。また個人のロッカー内のタバコも漁られてしまった。全部奴の仕業であった。
 普通ならこれだけ盗癖があれば、普通の企業なら即刻懲戒免職処分である。ところがあの事業所ではそうではなかった。彼はそのまま働き続けていた。出勤・退勤のとき以外、ロッカールームは施錠された。彼はほぼ休まず出勤するので、悪く言えば「事業所にとっては金になる(国から降りる助成金がたくさん入る)」ので、美味しい利用者だったのだ。
 かくして彼はみんなに不安材料を与えながら事業所にいつくことができるようになってしまった。