2018年3月まで通所していたA型授産施設の話・・・72018年06月12日 19:42:44

このシリーズもだいぶ長くなってきたと思います。利用者の頂点に位置するツートップの女の方は既出なので、今度は男の方を書きたいと思います。
 この男は40代半ばぐらいで、脳梗塞で左半身麻痺になってしまった人です。どうやら社長の中学の後輩に当たるそうで、私が入社したとき「俺は社長の下で仕事をしている」とたいそう見栄をはってました。左半身に麻痺があるのでまっすぐに前に向いて歩くことが出来ません。鋪装靴で固定した左足を引きずりながら、横に歩くので私は「カニ」というあだ名をつけてました。
 この男、脳梗塞ですから脳血管障害で麻痺になったので普通だったら禁煙するのですが、障害を負っても煙草をやめようとしません。あの事業所は勤務が午前中の人と、午後の人に別れてました。彼は午後の方だったのですが、朝早くから出勤してきて社長や指導員と大声でおしゃべりをしているのです。それに3人で煙草を吸うので副流煙がひどかったです。禁煙しないとまずいんじゃないですか?いい加減に。車で通勤してるのですが、その車の中で暇な時は煙草を吸って過ごすことも多かったです。この男、元は配管関係の仕事をしていて国家資格も持ってました。しかし不規則な生活と喫煙が祟り、若くして脳梗塞を発症してしまったのです。
 社内の仕事でも、彼だけは特別扱いでCADでなにやら配管関係の図面を書いてました。そのCADを何人かの女性にやらせたのですが、一人いつもうまく出来ない人がいました。彼女はいつも「下手くそ」と罵声を浴びせられてました。見ていて気の毒に思いました。しかし彼のCADの扱いを見てみるとある特徴に気がつくのです。まず彼はいま流のコンピューターテクノロジーである「クラウド」を全く理解してないのです。私にいつだか「クラウドってなんだ?」と聞いてくる始末。またCADデータも手近なUSBメモリーに落としているのです。何本もメモリーがあるので、わからないと不自由な体で机の中を漁っているのです。まぁ2000年代初頭まであったワープロ専用機を知っている人は多いと思います。作るデータが文章から図面に変わっただけで、パソコンは言わば「CAD専用機」になっているだけ。データの保存もフロッピーディスクから、USBメモリーに変わっただけ。はっきり言って進歩がないです。あの会社の中はおよそ1990年代後半にタイムスリップしたような世界なのです。

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